2016年3月28日月曜日

PulseAudioのloopback moduleを使う

Loginした時にmodule-loopbackがloadされるように設定した。

  • /etc/pulse/default.paをcopyする
  • loopback moduleの設定を加える

具体例

motherboard内蔵のIntel HD Audioで、line-in → line-outへ音声を流す設定 (~/.config/pulse/default.paの最後の部分):

> ...
> ### loopback
> .ifexists module-loopback.so
> load-module module-loopback source=alsa_input.pci-0000_00_1b.0.analog-stereo sink=alsa_output.pci-0000_00_1b.0.analog-stereo
> .endif

module-loopbackへのparamterはsourceが入力元、sinkが出力先。これらはindex numberか (長い) unique nameで指定できる。Deviceの認識順とかでindexは変化するみたいなので、nameで指定しておいた。

unique nameやindexはpactl listやpacmd list-sources、pacmd list-sinksで表示できる。

参考リンク


Debian Sid + Linux 4.6-rc1でPlanex GW-450D KATANAを使う

Google等で検索すると既に様々な方が実施されているのだが、GCC 6だからなのか、それともLinux kernelが4.6rc1だからなのか、そのままではdriverがbuildできなかったのでメモしておく。

全体の流れ

  • x86_64対応のdriverをdownloadし展開して修正する
    • tarballを展開するかgit clone
    • Makefileに変更: CHIPSETへ追加、LINUX_SRCの変更
    • common/utusb_dev_id.cへUSB_DEVICE_ID追加
    • conf/RT2870STA.datを修正
    • os/linux/config.mkを修正 (-Wno-error=incompatible-pointer-types)
    • os/linux/rt_linux.cを修正 (__vfs_read, __vfs_writeへ変更)
  • Kernelの修正とrebuild (CONFIG_WIRELESS_EXT=y, CONFIG_WEXT_PRIV=y)
  • buildしてinstall
    • make
    • make install (もしくは手動でcopy)
    • depmod -a
  • Debian specificなnetworkの設定 (or NetworkManagerやwicdで設定する)
    • /etc/Wireless/RT2870STA/RT2870STA.datの調整
    • /etc/networking/interfacesの変更
    • modprobe mt7650u_sta
    • service networking restart

今回遭遇した問題

主にdriverのbuildに際して問題があった。

  • incompatible-pointer-typesのwarningがerror扱いされてbuildが止まる
  • net_device、iw_handler_defなどstructの初期化を行う部分でerrorが出る

incompatible-pointer-types対策

1つ目のincompatible-pointer-typesに関しては、gccに-Wno-error=incompatible-pointer-typesを渡して見逃してもらった。os/linux/rt_linux.cのWFLAGSに直接書き込むという力技を使ったが、たぶんもっと適切な場所 (もしくは方法)があると思う。

unknown field対策

2つ目のstructの初期化 (designated initializer)に関しては、kernel moduleとしてbuildする際に見ているLinux kernelの設定に問題があった。

具体的には"error: unknown field 'private' specified in initializer"といったerrorが出るのだが、kernel sourceの側で必要なsymbolを有効にしていないのが原因だった。必要なのはCONFIG_WIRELESS_EXTとCONFIG_WEXT_PRIV。

これらはmake menuconfigで'/'を使って調べると出て来るが、依存関係の問題なのか有効にできなかったのでnet/wireless/Kconfigを直接編集して対応。make oldconfigを実行して.configに2つが=yで出力されているのを確認して、kernelをrebuild & install。

以上でdriver (mt7650u_sta.ko)をbuildできる。

Pitfalls


  • 普段楽をしてmake-kpkgでkernel packageをbuildしているので、driverをinstallした後にdepmod -aを忘れていた
  • SSIDがstealthなので/etc/networking/interfacesあたりにap_scan=1とかssid_scan=1を設定する必要があった

追記

Rebootが必要とあるが、本当に必要なのはkernelでCONFIG_WIRELESS_EXTとCONFIG_WEXT_PRIVが有効になっていない場合に新しくbuildしたkernelに切り替える時だけで、後はservice networking restartとかmodprobe (-r) mt7650u_staでどうにかなる。


参考リンク

Driverのsource code


GW-460DをLinuxで使う方法について



Buildに必要なLinux kernelの設定について


/etc/Wireless/RT2870STA/RT2870STA.datの読み込みに失敗する問題への対策


Cのdesignated initializerについて




2016年3月27日日曜日

Linux kernel 4.6-rc1をdebianでbuildする

Linux kernel 4.6-rc1がreleaseされたので、早速make-kpkgでbuildしようとしたら……

> In file included from arch/x86/decode.c:26:0:
> arch/x86/../../elf.h:22:18: fatal error: gelf.h: No such file or directory
>  #include <gelf.h>
>                   ^
> compilation terminated.

gelf.h……?

今までこんなerrorは出ていなかったので検索してみた所:

> I guess your system didn't install libelf library.

cf. [compiling error gelf.h · Issue #34 · ktap/ktap · GitHub](https://github.com/ktap/ktap/issues/34)

なる記述を発見。取り敢えずaptitudeでlibelf-devというpackageをinstallしたら解決した。

なお、Debian experimentalに入っているgcc-6 seriesで無事buildできたことを申し添えたい。

2016年3月10日木曜日

Debian GNU/LinuxでUSB3.0なGigabit Ethernet

LogitechのLAN-GTJU3というUSB3.0のnetwork adapterを使ってみた。

何故か100Mbpsまでしか有効にならず色々と試してみたのだが、switching hubのportを別の場所に変更したら1000Mbpsが有効になった。

理由はよく分からないが、想像するに、元々100Mbpsのadapterが接続されていたportだったので、switching hub側が「100Mbpsまで」と記憶していたのが問題なんじゃないかと。