2017年8月8日火曜日

CFMの役割と自動化への取り組み

CFMの役割


BananaFMの取り組み (Amazon PollyベースのTTSの導入)を知って最初に思ったのは、地元のコミュニティFM局の大雨への対応だった。

1日積算で150mmに達する激しい降水が目下発生していて、気象庁から記録的短時間大雨情報とかが出ていても、それについて何ら触れることなく通常通り録音した番組の放送をしていた。幸いにも今回は目立った被害は出なかったが、ふと「こんな状態で本当に非常時に対応できるのだろうか?」と心配になったのだ。

3.11以降各地に設立されたCFM局は「防災」をその目的の一つしたものが多いし、地域によってはCFM局を従来の (コストのかかる)防災無線代わりに使おうと取り組んでいたりしている。その場合、日頃から使い慣れていないものを非常時に使い熟せるかは疑問だ。

ただし、ずっとそのCFM局を聞き続けていた訳ではないので、何処かしらのタイミングで触れられていた可能性はある。ユーザー (リスナー)側から見れば、他に幾らでも大雨などの情報を流しているメディア (或いはチャンネル)がある筈なので、必要なら積極的にそれを探しに行けば良いだけの話でもある。

そもそも、大雨など災害が発生している最中にできることは限られている。その後の避難或いは復旧や復興の局面でCFMが果たす役割が大きいのは分かるので、情報の速報性だけで評価すべきでない。

人手が少なく小さなCFMだからこそ整えるべき「仕組み」


地域に密着した (細かい)情報を随時流せる小回りの良さこそがCFMの最も良い所なので、全国はもちろん県域局でも取り上げにくい局地的な気象変化は大規模な災害発生時の訓練になると考えて積極的に流してほしいと思う。

そのような放送の姿勢やありかたが、徐々にではあっても地域住民やリスナーの「いざという時に頼りになる」という意識を作って、日頃から協力しようとか、或いは情報を提供しようという動機になる。

そのための仕組みは、別に自動化しなければ成立しないものではない。けれど、少人数で運用されているCFMの場合は特に、一人あたりにかかる負担が大きくなる。それを可能な限り低減して人でなければならない仕事に集中できる環境を作る、或いは人が対応するのに必要な時間を稼ぐ仕組み作りは、中長期的に事業を維持するための大きな武器になる。

Pollyでも、事前録音の音声でも構わないのだが、何かしら情報を受け取ったら自動的に放送に割り込む仕組みは、人手の少ないCFMだからこそ積極的に取り入れていく必要があると思う。


ぼくのかんがえたさいきょうの災害時放送


架空の豪雨災害を例に、CFM局が災害時果たすべき役割について考えてみた。

災害発生前


* 人員の確保
* 気象情報 (大気の状態が不安定、etc)を伝える
* 避難或いは安全確保について伝える
* 無理のない範囲での情報提供を呼び掛ける (リスナーにも、提携している他業種や行政にも)

災害発生直前 (降りはじめ)


以下のアナウンス:

* 〜地区 (或いは〜市とか〜町)で大雨が降っている
* 一通りの注意事項テンプレ (田畑や川を見に行かないとか外に出ないとか)
* 気象庁が出すであろう記録的短時間大雨情報や土砂災害警戒情報

災害発生


明らかになった情報をまとめつつ随時流す:

* (大抵は提携なり出資している筈の)地域行政機関が出すであろう避難に関する情報
* 開設されている避難所の情報、或いは安全確保に関する情報
* リスナーや警察・消防からの被害情報 (道路の冠水とか通行止めとか)

避難〜復旧


何かしら被害が発生し、中長期的に避難などが必要になった場合:

* 停電などライフラインに関する被害と復旧に関する見通し
* 保険金や見舞金の支払いに関する情報
* 公共料金や税金などの猶予の情報
* 相談先がどこにあるか

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